腸内フローラとは
私たち人間の腸管内には多種多様な細菌が生息しており、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)として知られています。様々な細菌が混在している様子が「お花畑(英語でflora)」に見えることから「腸内フローラ」とも呼ばれており、細菌たちには「エネルギー産生」、短鎖脂肪酸・ビタミン類・セロトニンなどの「物質代謝」や「免疫調整」「感染症予防」「肥満予防」など様々な働きがあるとされています。このため、近年健康管理やダイエットに関心の高い方々の間で、いわゆる「腸活」の目的で興味を持たれています。
検査概要とそのメリット
この検査は便検体から腸内フローラの種類・多様性などを調べて栄養指導などが受けられるものです。理化学研究所認定ベンチャー企業の株式会社サイキンソーが提供する医療機関向け検査キットで、個人購入のネット通販版よりも詳しい結果が得られます。
残念ながら現時点で保険適応はなく、自費検査になりますので通常22,000円(税込み)となり、ネット版よりも高額ですがサービス内容が異なりますのでご了承下さい。
国内外の研究によって大腸がん、潰瘍性大腸炎など腸の疾患だけでなく、肝臓がん、糖尿病、アレルギー、うつ、リウマチ、認知症などの様々な疾患と腸内フローラの関連も分かってきています。腸内フローラ検査を受けて、自身の腸内フローラを可視化し、自分の腸内フローラに合った腸活をすることで、より一層、腸活の効果を得られるようになります。
このような腸活目的の方々だけでなく、大腸内視鏡検査など消化管の検査を受けても原因のはっきりしないお腹の不調でお悩みの方の生活改善にも役立てられる可能性を考えて導入しております。まだ全国で945施設、京都府下で13施設しか導入されていません(2023年6月現在)ので、ご存知でなかった方もおられるかと思いますが、今後も多様なご要望にお応えできるよう努力してまいります。 なお、大腸がん・ポリープに罹患しやすい年齢の方、はっきりとした消化器症状のある方は、まずは大腸内視鏡検査を受けられた方が良い場合がありますので、ご相談下さい。
腸内フローラ検査でわかること
- 腸内フローラ判定(多様性、短鎖脂肪酸、腸管免疫、口腔常在菌)
- 大腸画像検査おすすめ度
- 健康長寿菌判定
- 腸内フローラの構成
- ダイエットや美容に関すること(太りやすさ、やせ菌、エクオール産生菌)
- 生活習慣の改善ポイント
- 管理栄養士からのアドバイスコメント
検査の方法
当院でお会計後に検査キットをお渡しし、ご自宅で採便後に検査機関へ直接郵送していただくだけですので簡単です。ご自身の都合に合わせてご自宅で採便をしていただくので負担が少なく、苦痛などはありません。検査キットは院内に常備しておりますので検査をご希望の方はお申し出下さい。
良い腸内フローラを育てるためには
腸内フローラは食事をはじめとする生活習慣の影響を大きく受けています。腸内フローラ検査を実施後は、これまでの生活習慣を振り返り、できることから取り入れて食事改善、生活習慣改善を行います。当院では医師が検査結果をふまえてアドバイスをします。また食事・生活習慣の改善は継続的な努力が望まれます。参照用に検査結果の解説や生活習慣アドバイスが載った検査結果ガイドの冊子もお渡ししますので、ご自宅でも検査結果をふまえて食事・生活習慣の改善が継続的に図れるようご活用いただけます。
検査キット
このような検査キットをお渡しします。
検査結果票
検査結果票の参考例です。